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・朝日が照らし始めた牟礼岡の風車

(2005年7月の記事です。)

●7月も半ばを過ぎ、鹿児島の梅雨がすっかり明けたので、早朝の散歩も清々しい行事になってきた。その日は何時もの様に、犬を連れてか犬に連れられてか、午前5時半に自宅を出た。(犬の名前はグレイスという。)

 毎日歩く見慣れた風景だが、その日の天候によって、様々な違った印象が有るもので、日がまだ昇らない空でも、水色の絵の具を流したような色鮮やかな世界が広がっていた。

 わずか数日前までは、山裾に霧が立ち込め、空は厚い雨雲に覆われていたので、霧深き深山を描いた水墨画のような、白黒の世界に包まれていた。

 目で見える風景の他に、空気のにおいや肌で感じる感触や、聞こえて来る音などの違いも著しく、五感の全てに新たな刺激が有るものである。

●自宅から団地内の歩道付の道を10分程度歩くと、吉野から島津ゴルフ倶楽部に向かう道路に出る。団地内ではグレイスをロープで繋いで歩いているが、この道に入ると放して歩く。車も時々通るので、なるべく道の端を歩くように心がけている。その道を左折して北に向かうとその先には、島津の森公園・マッシ-ゴルフ場・島津ゴルフ倶楽部と続く。何時もの散歩コースになっているこの辺りを、私は勝手に牟礼岡高原と名づけた。

 昔の薩摩藩の交通の要所でも有った通りで、東目筋と呼ばれていた道らしい。大口筋や日向筋へと続く白銀坂もこの道から続いている。この道に入って15分程の間は、東側にそびえる牟礼岡の森の、背丈の高い杉木立に囲まれていて、空の明るさの割に路面は暗い気がする。旧島津の森公園の入口の所まで来ると、西側の視界が開けて明るくなってきた。

 左にリバティグランドという運動場が有り、その先には左へと折れる道がある。その道を下るとアベ木川源流の赤滝へと通じている。通常の散歩コースは、高低差の少ないゴル場の方向へと進む。少し登り坂になってくる。5分ほど歩くと完全に森から抜けて、右も左も見渡せるようになり、ゴルフ場の緑の風景が、目の前に突然広がってくるのだ。

●道は二股に分かれ、右への道には島津ゴルフクラブの入口の門が立てられている。白金坂へと続くのがこちらの道だ。左側の道は一般の道路で、青少年研修センターから蒲生方面へと続いている。

 すぐ目の前には右にゴルフの打ちっぱなし練習場、左にはミニコースマッシ-ゴルフのフェアウエイが見えている。その先の小高い岡の上に、緑色に塗られたクラブハウスが、見えてきた。

 そのクラブハウスまでの道程が、通常の散歩道の往路である。息を切らせて一気に登坂を上り切った。
この坂道は、東西の風がよく吹き抜ける場所である。丁度、錦江湾の重富海岸側から、白銀坂を吹上げてきた風が峠越えをして、吹き降ろして来る場所に成っている。


・マッシ-ゴルフ場(ミニコース)のクラブハウス


・島津ゴルフ(本コース)と電波塔

●早足で歩いてきたので、汗びっしょりの体には、吹き抜ける風が心地よい。高台に有るミニゴルフの駐車場までたどり着いて、歩く速度を徐々に落とし、クールダウンを行ってから歩を止めた。駐車場から、ミニコースのクラブハウスと牟礼岡の風車を写真に撮ってみた。この位置だと、南北に立ち並んだ風車の数多くが、手前から順番に見えている。時計を見ると午前6時だった。

 反対側を振り返って見ると、朝日が島津ゴルフ倶楽部のクラブハウスを照らし始めていた。写真では分りにくいが、右上の方に三角の屋根形が少しだけ映っている。右側の壁が、折からの朝日を受けて金色に輝いていた。そして、黒々とした杉や松の木立ちの間から、フェアウエイの緑色の芝生が所々覗いている。朝露に濡れて、幾分か白っぽく感じた。

●さらに上の方には、島津ゴルフ倶楽部の先にある山の頂上の、NTTの巨大な電波塔が間近に映っている。一ヶ月ほど前に、その電波塔のある山に登って間近に見たことが有るが、高さ50mは有るような巨大な鉄骨の塔だった。姶良や加治木や、遠くは溝辺方面からも見える電波塔なのである。

 この辺りの風景は、山を削り木を切り森を切り開き、人の開発の手が入った環境であり、本当の自然の姿とは少し違うのだが、それはそれで雄大なスケールが有り、美しく整った環境であり、重厚なオーケストラの交響曲が流れているような、深みのある緑の風景だ。綺麗な景色と清んだ空気を体一杯に取り込むように、両手をゆっくりと回して大きく深呼吸をした。

・花畑を走り回るグレイス


・マッシ-のクラブハウスの庭で

●道端に咲いている花で、5月の初めから今でも満開を続けているタフな草花がある。山を切り開いた新しい道路の土手や、空き地等にたくさん咲いているのだが、名前が分らなかったので、後で調べてみたら「アラゲハンゴンソウ」と言うらしい。御供のグレイスが花畑の中で、はしゃぎまわっていた。

 背景に映っている水色の建物は、打ちっぱなし練習場の打席スタンドの屋根の色である。早朝なので、まだ誰も居ない。

 マッシ-ゴルフ場(ミニコース)のクラブハウスの南側の庭は、高台に成っているので見晴らしがよい。芝生の真中に一本の木があり、その木から落ちてきた木の実をグレイスが拾って食べている間に、ミニゴルフコースとその先に見える三井ニュータウン(牟礼岡団地)とを、急いでデジカメの中におさめた。 


・マッシ-ゴルフ場と牟礼岡団地

打ちっぱなし練習場(奥行き350ヤード)

●クラブハウスが有る高台の庭から芝生張りの斜面をゆっくり下って、通りに出た処には、先ほど高台から見下ろしていた、打ちっぱなし練習場の全体が左手に見えてきた。

 ここの練習場は、横巾も広く奥行きは350ヤードも有るので人気が有る。両脇も奥にもネットや柵も無く、土手と植木で打球を受け止めているので、雰囲気をとても楽しめる。350ヤードの一番奥の少し先には、島津ゴルフ本コースのティーグラウンドが見えている。

 飛ばす事が好きなプレイヤーは、ここで練習してみると良いと思う。でもどんなに飛ばす人でも、なかなか350ヤードには届かないもので、私などは何度チャレンジしても280ヤードそこそこである。

●さあ、ここからは帰り道で、同じ道を引き返していく。今度は全体的にゆるい下り坂になるので、来た時よりも幾分早足になる。そしてそのテンポのよいリズミカルな足音と共に、山の中のたくさんの生き物達の鳴き声も聞こえて来る。数種類の鳥の声や、幾重にも重なる虫の音とカエルの合唱隊。笹の葉を震わす風の音等が、フルサラウンドの管弦楽団のように繊細に響き有っている。なんとも言えない生命の喜びを味わえる一時であり、この一瞬にはこの世の苦悩や不安や怒りや焦りを、忘れさせてくれる有り難い功徳が有る。

 帰り道には、同じように散歩に出てきた人たちと出会う。飼い主を連れた犬とも出会う。その度に「おはよう御座います」と挨拶を交し合う。犬と出会うときは、さすがにグレイスをロープに繋いで歩く。最近は習慣になり、他の犬を見つけると何も言わずとも、グレイス本人がつながれる為に立ち止まる。きちんと横に並んで歩き、道の反対側をすれ違うようにしている。激しく吠え掛かってくる犬も有るが、グレースは知らぬ素振りでスタスタ歩いて通り過ぎるので、何となく飼い主の私の鼻も高いような気がする。通り過ぎたら暫らくしてまた放してやるので、早く通り過ぎる事を本能的に望んでいるようだった。

 人は時として相手の反応に対して、己が思い込みによる感情の高ぶりを抑えきれずに、過剰な反応をすることで不要なトラブルに巻き込まれる事が有り、信念を貫く事と我を通す事の境目が分らなくなる事が有るのだが、何処にその違いの基準を置けば良いのだろうと考える事が有る。あくまでも私の私信に過ぎないのだが、その違いは、自分の気分を重視するか、相手の気分を考えるかによるもだと思う。さらにそのバランスと言う事なんだろう。損や得を抜きにして、人生の価値として考えてもそのバランス(調和)が優れているほうが、美しい人生のハーモニーを奏でながら生きていけるのでは無いだろうか。人はやっぱり、自然の中に生かされている生き物の一つなんだと思う。蝉や蛙と何処が違うと言うのだろうか。

●エンジン音が聞こえて来た。ふと我に帰ると、ゴルフ場に向かう車が風切るタイヤの音を立てて通り過ぎて行った。遠くに人の足音もする。ここ二三日は気候が良くなって来たので、初めて出会う人も数多い。以前からの常連さんや初めての人も、それぞれの思いで、高原の散歩道を楽しんでいるようだ。数名の小学生が自転車を道端に止めて、沿道の木を蹴っ飛ばしている。クワガタを撮りに来たらしい。クワガタが捕れているか?と聞いてみたら、数匹のクワガタが入った虫かごを見せてくれた。なかなか立派なクワガタも居た。グレースが興味深々で寄って来たので、行くぞ!と促して、子供達から離れて歩き出した。家に辿り着いたら、午前6時40分を過ぎていた。

写真 文 : さだひろし
マッシーミニゴルフは現在(平成13年11月)閉鎖されて、太陽光発電のメガソーラー施設になっています。:↓

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牟礼岡団地(三井ニュータウン)は鹿児島市のベッドタウンとしても人気の場所です。

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